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2015年2月14日 (土)

 乳牛にまつわる小咄

 

 このところ、かたい話が続いた。で、小咄を。そこそこ有名な軽い小咄。

乳牛のミルクは時間ととも溜まってくる。乳房を見たり触ればだいたいの量はわかる。搾りごろもわかる。逆に、おっぱいの張り具合で大よその時間がわかる。

 ある牧童は、おっぱいを触って、ひょいと持ち上げれば、およその時刻を当てるという。かなり正確。それが評判になった。ほんとうかどうか、町の役人が調べにきた。

 牧童に、いま何時か? と訊いた。搾乳中の牧童は、おもむろに搾乳中のウシのおっぱいを持ち上げ、「三時半だね」と答えた。たしかに当たっていた。

 役人はどうしてわかるのかと訊ねた。

「ほら、こうやって持ち上げると、向こうの学校の時計台が見えるんだよ」

 

 乳牛にまつわる小咄をもうひとつ。これは成人向け。艶笑小咄。

 とある牧場に、若い女性たちが乳搾り体験ツアーでやってきた。

 牛の乳首を握って、ちょいとしごきながらひっぱれば搾れると教わった。簡単だった。みな乳搾りを楽しんだ。

 ところが、ひとりの娘だけはうまくいかなかった。「なかなか出てこないし、最後に出てきたけど、ドロドロしていてミルクらしくなかった」と不満を言う。

 そんなことないはずと、牧場主はいぶかしんだ。どの牛を絞ったかと問うと、娘は、あれと、指さした。

「ありゃ、牡牛だ」

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