「龍三と七人の子分たち」 ありふれたパターン
北野武監督作品である。ご存知であろうが、元ヤクザの龍三(藤竜也)がオレオレ詐欺にひっかかりそうなり、昔の仲間を集めて、詐欺グループをやっつけようとする物語である。
ジジイ軍団と半グレ集団の対決という図式。この手の映画はけっこう多い。体力は衰え、物忘れがひどくなる。いわゆる老人力がついてくるにもかかわらず、昔取った杵柄とばかり、立ち上がる。現実には年寄りの冷や水なのだろうが、それはそれ、少ない残り火を燃やそうとする。
もとヤクザである。任侠道は衰えていない。ただし金はない。オレオレ詐欺に遭っても、指を詰めて金をまけてもらおうとする。笑える。この手のギャグの連発がこの映画の見どころであって、映画それ自体はごくありふれた筋立てで、新鮮味はない。
ギャグもよくあるエピソードが使われている。たとえば、馬券を買うシーンがある。親分が両手を広げる。5ー5のぞろ目を買うよう指示したつもりだったが、子分が買ったのは3ー5だった。親分の指が二本なかったので、3だと勘違いしたのだ。この指詰めのギャグは、この映画独自のものではない。たしか、「仁義なき闘い」にも似たような場面があったような気がする。
仲間の一人、モキチ(中尾彬)がラーメン屋の出前に扮して敵陣に乗り込むシーンがある。「駅 STATION」で高倉健が犯人逮捕に向かうシーンを連想させて、可笑しかった。
ということで、新鮮味に乏しい映画だけど、ま、たけし流のギャグを楽しめばいいのでしょうね。
ハリウッド映画なら、カーチェイス(バスでの追跡)などもっと迫力あるぶち壊しのシーンになったんじゃないかな。
ついでのひとこと
「仁義なき闘い」の第何作か忘れたけど、指を詰めると、小指が庭に飛んでいって、それをニワトリがくわえて行ってしまうシーンがあった。あれは笑った。
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