談笑十八番 当日のリクエストでトリネタ
立川談笑独演会(北沢タウンホール)に行ってきた。
「あなたが選ぶ 談笑十八番」という企画である。観客のリクエストでその日のトリネタを決めるという趣向である。
30ぐらいの演目が並んでいる。そこから選ぶ。本命は「シャブ浜」か「ジーンズ屋ようこたん」あたりか。しかし、それではつまらないという気もする。
開口一番は、吉笑だった。しばらく聴いてない。久し振り。妙な落語を演るのだろうなと思っていたら、ツボの話。指で押す、マッサージのあれ。あとで確認すると「tion(ション)」という演目だった。シュールな内容で、説明できない。
続いて談笑。この段階ではまだトリネタは決まっていない。中入りまでの投票で決まる。で、軽く「金明竹」であるが、これがいつも通りの熱演となった。方言のおかしさ(その地方以外の人からすると、奇妙に聞こえる)を巧みに爆笑ネタにする噺だ。談笑の「金明竹」はおもしろい。音感が鋭い。「イラサリマケー」に通じるところがある。
これで前半は終わりかと思っていたら、もう一席やるという。「時そば」。これも得意ネタである。なんども聴いているので、別の演目をやってもらいたい気もするが、まあ、いいか。
トリネタは「シャブ浜」だった。案の定である。ご存じかと思うが「芝浜」の改作。場所は横須賀、魚の棒手振りではなくトラックの運転手、酒ではなくシャブ中毒という設定である。
得意中の得意ネタであり、人気もある。なんど聴いても面白いけど、こちらは聴き飽きている。リクエストする側の問題だけど、ベスト5ぐらいの中から選んでもよいと思う。
ちょっと辛口で言わせてもらうと、シャブの打ち方が簡素化されている。もっとたっぷりやってほしい。でも、覚醒剤を打つシーンを熱演したら、教育上よくないか。
細かなことだが、気づいたことがある。シャブ容疑で逮捕されるのだが、そのとき警官は、麻薬取締法違反でと言う。間違い。正しくは、覚せい剤取締法違反と言うべきではないか。
ラストはクレイジーケンバンドの「タイガー&ドラゴン」が大音響で流れるのだが、今回はなし。ちょっと寂しい。予定していたネタではなかったからかもしれない。
ロビーにはリクエスト順位が貼り出されていた。2位が「居残り佐平次」、三位が「ジーンズ屋ようこたん」、四位「め組の喧嘩」、五位「百年目」。
私が投票したのは「め組の喧嘩」だった。7月下旬にも、「談笑十八番」の第二弾がある。「め組の喧嘩」か「百年目」あたりを聴きたい。
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