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2015年6月18日 (木)

林業の可能性 『里山資本主義』

 

 本屋に行ったら、『里山資本主義』(角川新書)平積みになっていた。新たな表紙に40万部突破とある。奥付を見ると18刷。ロングセラーになっている。

著者・藻谷浩介さんには『デフレの正体』という著作がある。現在のデフレは勤労者人口の減少という構造的な需要停滞が主因であって、従来型の経済政策を打ってもダメだ、そんな内容だったと記憶している。

 その延長線上にあるのが『里山資本主義』である。

現在の一般的な経済活動をマネー資本主義とすると、それを補完するサブシステムとして、地域で循環する経済活動を里山資本主義と呼び、それを推進していこうという趣旨である。マネー資本主義を否定するわけではない。具体例を挙げれば、石油や天然ガスに依存している部分を森林資源に置き換えていこうということである。

 この本を読んで、へー、そうなのか、知らなかったと驚いたことは、日本は森林資源をほとんど活用していないという現実である。

樹木の年間成長率を100パーセントとすると、日本はわずか数パーセントしか利用していない。これが林業先進国のオーストリアになると70パーセントに達している。日本は森林資源をまったくというほど活用していない。林業はずっと低迷しているのだ。

樹木を伐採して燃やせば地球温暖化につながると思いがちだが、そうではない。光合成により植物は二酸化炭素を吸収するから、適度に伐採し、若い苗を植えていけばより光合成は活発になる。森林を放置すると、原始林のような状態となり、ついには倒木し、山崩れを引き起こすことになる。

熱帯雨林の消滅などということが問題視されるため、伐採はいけないことのように思いがちだがそうではない。

本書では、林業により、材木とするだけでなく、地域暖房や発電をし、ちゃんとした地域ビジネスとしてなりたっている例を紹介している。地域で循環できれば、地産地消であり、さらに石油や天然ガスの依存度を減らすことができる。

ということで、この本を読んで以降、林業に関心をもつようになった。林業関連のテレビ番組も放映されるようになっている。林業で事業がなりたっている会社とか、林業ガールが紹介されている。

チェンソーひとつ握ったことがないのだが、あれこれ林業についての構想(妄想も多い)が浮かぶ。これについては改めて紹介したい。

 

ついでのひとこと

林業ガールとか林業ボーイって、ちょっとかっこいい。ライザップで鍛えなくたって美しい肉体はつくれる。

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