白酒・一之輔毒吐き二人会
きょう、鶴川落語会の昼席に行ってきた。若手人気噺家の桃月庵白酒と春風亭一之輔の二人会である。昼は暑い夏の噺、夜は怪談ものということになっている。
夏の噺なら、「青菜」「船徳」あたりが考えられるが、さて・・・。
とはいえ、暑いですねえとことばを挟めば、夏の噺になる。「寿限無」だって、じゅげむ、じゅげむ、暑いですねえ、とやれば夏の噺にすることができると、一之輔が語っていた。まあ、そうだけど。
演目はこうだった。
一之輔 夏どろ
白酒 宿屋の仇討ち
白酒 馬の田楽
一之輔 唐茄子屋政談
ふたりとも元気がいい。夏バテなど感じさせないほど勢いがある。声の響きがいい。こちらも気持ちよく聴ける。
今回は一之輔の「唐茄子屋政談」に絞って報告しておく。
一之輔のこの噺を聴くのは二度目である。50分ぐらいかけてじっくり演じた。勘当された若旦那が叔父さんの世話でかぼちゃの荷売りをすることになる。手助けもあって初日でもたくさん売れた。残った二個のかぼちゃは貧乏長屋の女が買ってくれた。その家を借りて持参した弁当を食べようとするが、腹を空かせた子供がいたのでやってしまう。親子はほとんど食べていないようだった。母親の身の上話を聞き、同情した若旦那は売上金を母親にくれてしまう。ところが、その好意が仇となってしまうという噺である。
政談とあるように、本来はお裁きものの人情噺なのだが、一之輔バージョンは結末を変えている。
人情噺は、こそばゆい。どこか嘘くさいところがある。めでたしめでたしとはせず、いや、いずれめでたしとなるのだが、若旦那はあいかわらずかぼちゃを売るという結末にしている。明るいお笑いで締めくくる。こういうオチはいい。
夜席は聴くことができなかった。どんな演目をやったのか気になる。「不動坊」「お菊の皿」「お化け長屋」などが考えられる。
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