シネマ歌舞伎 三人吉三
シネマ歌舞伎を観てきた。「三人吉三」。昨年、シアターコクーンで上演されたものを映画化した。
中村勘九郎、中村七之助、尾上松也の若手人気役者が、和尚吉三、お嬢吉三、お坊吉三を演じるのだから、人気になるのは当然で、芝居のチケットは即完売した。
それを映画にしたのだが、テレビの劇場中継のようなものと思っていたら、そうではなかった。複数台のカメラで撮影。それを映画的な手法でカット割りをする。クローズアップ、ストップモーション、スローモーションに加え、あらたな音響も重ねる。
実際の舞台を観た人でも、まったく違った芝居を観ているような感想を抱くのではないかと思う。芝居ではなく映画なのだ。
さて、この「三人吉三」、歌舞伎を知らない人でも、名科白の一端は聴いたことがおありだろう。大川端の場。ひょんなことで百両を手にしたお嬢吉三が朗々と七五調の科白を発する。
月も朧(おぼろ)に 白魚の 篝(かがり)もかすむ 春の空・・・(中略)・・・こいつぁ春から 縁起がいいわえ
なんともスカッとする科白回し、これでたちまち歌舞伎ファンになる人もいる。実際にやってみたいと思う人もいるだろう。落語には、そんな若旦那や小僧が登場する。
勘九郎、松也は、素顔はヤサ男であるが、この芝居ではずいぶん男っぽい。七之助は女形だから色っぽいが、盗人らしい威勢も見せる。こういう逸材がいれば、歌舞伎人気はまちがいなく続いていく。
通常のシネマ歌舞伎は、東劇(東銀座)ぐらいでしか上映しないが、今回の「三人吉三」は東京近辺では10館以上となっている。お近くの上映館で、ぜひご覧いただきたい。
ただし料金はちょっと割高の2100円。シニア割引もない。
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