無料ブログはココログ

«  ダブル親子会 弟子つながりだった。 | トップページ | 「日本のいちばん長い日」 »

2015年8月 7日 (金)

「百日紅」  江戸の暮らしを描いたアニメ

 

 アルテリオ映像館で「百日紅 Miss HOKUSAI」を観てきた。

 葛飾北斎とその娘を描いたアニメ映画である。原作は杉浦日向子のマンガ。監督は「クレヨンしんちゃん」シリーズでおなじみの原恵一である。

 江戸時代の絵師の中でいちばん好きなのは北斎である。代表作の「富獄三十六景」はもちろん、奇妙な橋を描いた「諸国名橋奇覧」がいい。春画もなかなかのもので、女体に巨大な蛸がからんで吸いついている絵をはじめて見たときはぶっとんだ。卓抜たるセンスに感服した。

 ということは本映画とは関係ないけれど、絵を描くことに専念した北斎の姿はこの映画でも伺われる。ひたすら描いた。北斎の娘も絵師で、その娘の視点で北斎を描いている。これに盲目の妹が絡む。 

 杉浦日向子の原作は読んでいないので、原作との違いはわからない。これといったストーリーはない。小さなエピソードとともに江戸の暮らしが描かれる。

娘のお栄は男っぽい。男女の機微には疎く、それが絵に表れる。男娼とからだを重ねる場面もある。妖怪のたぐいも登場する。

 この映画に流れているのは、諦観である。乾いたニヒリズムを感じる。人生にはさまざまなことが起きる。喜怒哀楽がある。しかし、しょせん、人生とは、生きて死ぬだけ。なにほどのことでもない。百日紅は咲いてただ散る。この映画を人生賛歌とする映画評を見かけたが、そうではなかろう。

 寡黙で、たんたんと絵を描き続けた北斎は九十まで生きた。長寿であった。

«  ダブル親子会 弟子つながりだった。 | トップページ | 「日本のいちばん長い日」 »

映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「百日紅」  江戸の暮らしを描いたアニメ:

«  ダブル親子会 弟子つながりだった。 | トップページ | 「日本のいちばん長い日」 »