ビゴーを超えた山藤章二 「ブラック・アングル」 2000回
週刊朝日連載の「ブラック・アングル」が2000回になる。実に40年にわたる連載である。
それを記念する会が先日、銀座マリオン朝日ホールで行われた。
「ブラック・アングル」って何か、わかりますよね。週刊朝日最終ページのグラビア。政治批評、社会風刺のカリカチュアである。
思いがけない切り口、そのユーモアのセンスには舌を巻いたものだ。山藤画伯は現代のビゴーにして、ビゴーを越えている。
記念の会は山藤画伯のスピーチで始まった。「40年もよくアイデアがつきないのはなぜか」という問いかけに、自ら「天才だから」と答えた。会場、大爆笑。このあたり仲のよかった立川談志を思わせる。談志は自らを天才とし、「天才は孤独なものである」とよく語っていた。
松尾貴史の声帯模写のあと、歴代の週刊朝日の担当者との座談があった。これがおもしろかった。
特に話題が呼んだものに、者小路実篤の色紙のパロディがある。ご記憶の方も多いと思う。あれは武者小路実篤が亡くなったとき、担当者が「あのへたくそなジャガイモとかの野菜を画いた人ですよね」と語ったのがヒントだった。早速、武者小路の色紙を買いに行って、あれをロッキード三兄弟のパロディにした。こういう絵を真似るのを画風模写という。
ジャガイモやカボチャは、田中角栄、小佐野賢治、児玉誉士夫の三人の似顔絵となった。もちろんコピーは「仲良きことは美しき哉」である。
ということで、来週号には、2000回の特集が載るとのことである。ぜひお読みいただきたい。立ち読みでもいいけど。
「ブラック・アングル」の前のページの「山藤章二の似顔絵塾」も見逃せない。
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