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2015年12月13日 (日)

「ポー・ボーイ」 野坂昭如

 

 野坂昭如が亡くなった。私はけっこうディープなファンだった。

 野坂昭如の名を知ったのは、映画雑誌に載った雑文だった。会社の金を使い込んで女遊びをしたという内容。風変わりな内容で、その名を覚えた。しばらくして作家デビューした。またたくまに流行作家となった。

 代表作は『アメリカひじき・火垂るの墓』だろうが、私は『骨餓身峠死人葛』が好きだった。『火垂るの墓』と相似形をなす作品だが、より死のかおりがした。

 歌手でもあった。「黒の舟唄」がヒットした。レコードは何枚か買った。歌詞も覚え、歌った。まだカラオケのない時代だった。

ポー・ボーイ」なら今でも歌える。「お袋は死んじゃうし 親父ゃずらかるし 妹はやくざとくっついちゃうし おらまでへまやった・・・」という歌詞。たぶんカラオケにはないんじゃないかな。ポー・ボーイのポーはプアのこと。意訳すれば、ついてない少年。

 武道館での「花の中年御三家コンサート」は話題になった。その録音テープを持っている。むかしはよく聞き返した。愛川欣也と中山千夏が司会をした。

 以降のことはアナタもご存じのとおりである。

 

 今度カラオケに行ったら(めったに行かないが)野坂昭如を歌ってみよう。「ポー・ボーイ」があれば最高。

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