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2016年2月 8日 (月)

「恋人たち」 甘い映画ではアリマセン

 

 アルテリオ映像館で、橋口亮輔監督の「恋人たち」を観てきた。

 さまざまな人が登場する。いくつかの日常のエピソードが映し出されるのだが、つながりがなく、話の展開も誰が主役なのかもわからない。しばらくして、三人の物語、オムニバスのような映画だと悟った。

 妻を通り魔に殺されたアツシは橋梁点検の会社に勤めている。仕事はできるが、金には窮しており、健康保険料の支払いも滞らせている(勤め人なら保険料は会社で徴収しているはずだが、よくわからない)。

 パートで弁当会社に勤める主婦は雅子様のファン。夫との関係は冷えているが、夫婦生活がないわけではない。

 もう一人は若手弁護士。同性愛者らしい。階段で転倒(突き落とされた?)し、骨折する。

 アツシは妻を殺した犯人を相手に民事訴訟を起こそうとしているが、弁護士は訴訟に消極的である。弁護士費用は一時間で五万円もする。これが負担となっている。

 主婦は夫婦生活をものたりなく感じている。そして、出入り業者の肉屋の男と関係ができるが、この男は食わせ者だった。

 アツシは、訴訟も思い通りにできないことがわかると、しだいに自暴自棄になっていく。リストカットも試みる。しかし救いはあった。同僚は優しい。心を落ち着かせていく。

 

 アツシと主婦が出会い、それに弁護士が絡んでいき、あらたな展開となると思っていたら、とりたてて事件は起きない。小さな事件はあるもののそのまま日常が続いていく。そういう映画。なんとなくキツネにつままれたような気分になる。

 音楽はエンドロールで流れるだけ。盛り上がらないのが橋口流である。平凡な主婦を演じた成嶋瞳子の熱演が光る。篠原篤(アツシ)も印象に残る。

「恋人たち」という甘いタイトルはこの映画にはふさわしくない。

 エンドロールのあとのワンショットは、事態が穏やかになっていくことを予感させる。

 

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