寿輔師匠は「ラーメン屋」
生田寄席(棕櫚亭)、今回の演者は古今亭寿輔である。
派手な衣装、ちょび髭、とぼけ顔、風貌だけで笑わせる。
今回は、大胆なラメが入ったウグイス色の衣装で登場。これだけでクスクス笑いが起きる。で、ここからが客いじり。「なにが可笑しいのですか。まだなにもおもしろいことは言ってませんよ」とクスクス笑いの女性群に語りかける。こうなると、もう寿輔ワールドである。
今回は二席
代書屋
ラーメン屋
「ラーメン屋」は有崎勉、つまり柳家金語楼の創作落語。先代の古今亭今輔が演った。だみ声の今輔、お婆ちゃんもので人気を博した。50年も前のことだが。
屋台のラーメン屋を営む老夫婦には子がなかった。深夜、若い客が訪れ、ラーメンをお代わりするが、無銭飲食だった。老夫婦は警察に伝えず、家まで屋台を引かせた。そこで、酒を飲ませ、おとっさん、おっかさんと呼ばせ、疑似親子を楽しむ。そんな人情噺である。
寿輔は今輔の孫弟子にあたる。今、この「ラーメン屋」を演る人がどのくらいいるかは知らないけれど、寿輔が引き継いでいる。
今輔のこの噺はCDで聴いたことがある(YouTubeでも聴くことができる)。寿輔は忠実に引き継いでいるが、寿輔らしさがふんだんに盛り込まれていて、しんみり、涙を誘う噺なのに、会場からはクスクス笑いが起きる。このあたりが寿輔ワールドである。
おとぼけ寿輔さんファンは多い。植田まさしの「おとぼけ課長」などに登場する中年おやじと寿輔キャラは重なる。
写真は、棕櫚亭でもらった角砂糖の包み。似顔絵と写真入り。
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