「偉大なるマルグリット」 愛すべき音痴
「偉大なるマルグリット」を観てきた。東京では2館しか上映していない。ちょっと少ないが、そのうち増えるのではないか。
1920年のパリ。ベルエポックと呼ばれた良き時代の話である。マルグリット(カトリーヌ・フロ)は貴族の夫人。優雅な暮らしをしており、趣味は声楽。チャリティーコンサートではみずから歌う。ただし聞けるような声ではない。ニワトリを絞めたような声で音程もはずれっぱなし。音痴である。ただしそれを指摘する人はいない。コンサートに忍び込んだ辛口評論家も魅力的な声だと絶賛する。夫も、真実を話せないでいる。つまり、裸の王様状態である。
マルグリットはさらに歌にのめり込み、有名声楽家から特訓を受ける。そしてリサイタルを企画する。
ざっとこんなストーリーである。ま、喜劇ともいえるが悲劇でもある。トラコメディ(悲喜劇)ね。
カトリーヌのお茶目ぶりもいいが、助演陣もいい。夫役はうんざりしたような演技がおもしろい。さらにいいのが黒人の執事役の・・である。夫人の写真、歌姫に扮装した写真などを撮る役。ピアノ伴奏まで勤める。
凶暴な悪役が務まりそうだが、敬虔である。そして存在感があり、結末に重要な役割を果たす。
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