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2016年4月10日 (日)

「ルーム」 監禁された母と子

  

 さっそく「ルーム」を観てきた。

 まもなく五歳になるジャックは母親ジョイとともに小さな部屋(小屋)に閉じこめられている。母親が監禁されてから七年になる。監禁した犯人の男は定期的に来て食料などをおいていく。外から鍵がかけられ部屋から出ることはできない。ジャックは壁の向こうの世界を想像すらできない閉塞された小宇宙を生きている。

 母親はこの監禁生活から脱すべく計画を立て、なんとかジャックの解放に成功する。男は逮捕され、母と子は外での新しい生活が始まる。

 前半が「ルーム」での生活が描かれる。天窓ひとつしかない狭い空間で、母は懸命にジャックを育ててきた。ジャックは外の世界を想像することすらできない。

 で、脱出するわけだが、脱出シーンはハラハラドキドキである。以上が前半。そして、外へ出てからも大変な生活が続く。

 だいたいの人間の性格や人生への心構えは三歳ぐらいのときにつくられる。母親や周りの人たちとの触れ合いや環境から人生を学んでいく。ジャックの場合、母親だけとの暮らしであった。ヒナが羽毛の生えそろわぬうちに、寒風の中に放り出されるようなものである。 

 ジャックはどう世界に馴染んでいくか。母親も、また苦悩する。周りとのコミュニケーション、マスコミ対応など、混乱する中での子育てとなる。広い世界に飛び出した二人が描かれる。

 

 日本では、先だって誘拐監禁事件が発覚した。二年にわたって監禁されていた。もし発覚せず、別の場所で長く監禁が続くとしたら、この映画のような事態になっていたかもしれない。

 脱出する際、ジャックは走るトラックの荷台で、空を見上げる。このシーンが印象的である。外の世界に初めて触れる。ジャックのもうひとつの人生の始まりであった。

 

 母親を演じたブリー・ラーソンはこの演技でアカデミー主演女優賞を受賞した。ジャック役のジェイコブ・トレンブレイも見事な演技である。かわいらしい。冒頭、髪の毛が長いので女の子かと思った。

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