落語とピアノのステージライブ 喬太郎と佐山雅弘
きのうは寒かった。寒風の中、噺・柳家喬太郎 ピアノ・佐山雅弘のライブ(紀伊国屋ホール)に行ってきた。
「ニッポン芸能史を生きた森田さんの愉快な一生」というタイトルがついている。どんな内容かさっぱりわからなかったけど、喬太郎師匠と佐山雅弘教授なら、おもしろくないわけがないと思い、チケットをとった。
ちょっと佐山さんについてコメントしておくと、ジャズピアニストである。その卓越した技量は「鍵盤の魔術師」である。縦横無尽に鍵盤を操る。醸しだすメロディとリズムはほんとうに心地よい。
ご近所の昭和音大の教授をしている。ときおり新百合丘でお見かけすることがある。風貌は・・・ ま、どうでもよい。
タイトルにある森田さんは架空の人物。大正生まれでピアニストとなった森田さんがどんな人生を歩んだかを喬太郎の語りと佐山のピアノで綴っていく内容となっている。
ダイナ、A列車で行こう、ケセラセラ、ブルーカナリー、インザムードなど、お馴染みのメロディが挿入され、森田さんの人生と世相を語っていく。
噺のほうは、前半では、「紙入れ」。戦時下ではいくつもの噺を自粛した。その「禁演落語」のひとつが、「紙入れ」である。間男を描いたものだ。
後半の噺は「肥辰一代記」。三遊亭円丈の作品である。大店の若旦那はウンコが好きで、肥汲みの名人に弟子入りし、成長していく、なんともばかばかしく、臭いたつような、きったねえ噺である。
こういう噺も喬太郎の手になると、見事な爆笑噺になる。
口八丁の喬太郎と手八丁の佐山雅弘。この組み合わせはいい。すごい。佐山さんは今回一言もしゃべらなかったけど、しゃべらせてもおもしろい。それを付け加えておく。
愉快ひととき。もっと長く聴いていたかった。
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