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2016年4月16日 (土)

「モヒカン故帰る」 沖田監督最新作

 映画のジャンルに、ふるさとに帰るという帰還モノがある。寅さんシリーズを思い出していただければよい。沖田修一監督の最新作「モヒカン故郷に帰る」もそのひとつ。ま、タイトルをみればそういう映画だとわかる。

 新宿まで出かけて観てきた。

 モヒカン頭のロック歌手、永吉(松田龍平)は妊娠した恋人(前田敦子)とともに久しぶりに故郷の瀬戸内海の島に帰る。実家には、酒屋を営む矢沢永吉ファンの父親(柄本明)と広島カープファンの母親(もたいまさこ)がいる。もうひとり、弟(千葉雄大)も帰省中。

 という設定。キャラがわかりやすい。これだけでどんな作品になっているか、およそのことが想像できる。

 父親は中学の吹奏楽部のコーチもしている。練習曲はもちろん永チャンの曲。曲が渋すぎると部員から文句がでるが「YAZAWAは広島の義務教育だ」と断固拒否する。

 沖田監督の持ち味は、おもわずニヤリと頬をゆるませるようなユーモアである。

 

 父親が肺ガンであることが発覚する。末期がんあった。で、永吉は東京に帰らず、しばし島にとどまることになる。

 それぞれが役を楽しんでいる。そうみえる。ゆるい。まさに沖田ワールドである。今回、後半ドタバタ劇になる。爆笑ものだが、私の好みからすると、この路線にはちょっと違和を感じる。沖田監督らしくないのだ。

 クスリと笑う。これが沖田監督の持ち味だと思うが、アナタはどうだろうか。ということであるが、ぜひ、ご覧いただきたい。クスクス笑えます。

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