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2016年8月 2日 (火)

アドリブでとりつくろうのも芸のうち  8月上席

 

 国立演芸場、8月上席に行ってきた。どうでもいいけどこの近くには衆議院議長公邸がある。相模原事件の犯人はここまで来て手紙を渡したあそこネ。

 上席のトリは柳亭市馬。この人目当てであるが、ほかに川柳川柳、三遊亭圓窓がでる。圓窓を聴くのは久しぶりだ。

 おかしかったのは柳亭市楽。知ったかぶりのご隠居さんが登場する「やかん」を演った。途中、講談のシーンがある。川中島の合戦をパパンパンパンと調子よく扇子を叩いていたのだが、突然口ごもった。登場人物の名前を忘れてしまったようだ。やり直すのだが思い出せない。で、やめてしまった。気をとりなおして別の噺、五分ぐらいで出来る噺に変えた。「豆売り」。アハハである。

 ど忘れは誰にもある。咄嗟でうまくとりつくろうのも芸の内。それを笑いに変えればよい。

 立川こしらが「船徳」を演ったとき、竿は三年櫓はむにゃむにゃ、とやった。会場から笑いが漏れた。バレたとあれば仕方がない。こしらは、櫓は何でしたっけと素直に会場に問う。すかさず、櫓は三月と声がかかる。へー、そんなに短いんですかと言って、噺を続けた。これでよい。

 

 川柳はもちろん「ガーコン」。84歳になってもこのぐらいの声量があるのはすごい。無形文化財であるただし、顔やからだは以前に比べれば衰えている。

 圓窓はひさしぶり。マクラは、師匠の圓生から噺を教わったエピソードだった。考えてみれば川柳も圓生の弟子である。芸風はずいぶん違う。円丈も弟子だが芸風は異なる。

演目は「枯木屋」。自作。よく演っているらしい。当人は枯れ木ではない。まだまだ若々しい。後で年齢をしらべてみたら、まだ80にはなっていないが、後期高齢者。

 で、トリの市馬は、夏らしく「船徳」。もちろん、竿は三年櫓は三月と間違えることはない。本寸法、ほんとうに王道をいく芸で、聴いていて心地よい。

 

 客席には空きがあった。ちょっと寂しい。11日からの中席は、歌丸がトリをとる。最後の高座かもしれないし、小遊三、好楽ら人気の笑点メンバーも日替わりで出るということで、チケットは完売。 けっこうなことだけど、金を払ってまでして聴きたいとは思わないねと落語通が語っていた。

 

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