リオ・オリンピック 輸出大国・中国
一般紙がスポーツ新聞のような紙面づくりとなっている。オリンピック期間中だから、致し方ない。
日本人選手が大々的な活躍をしているような報道だが、アメリカのデータ会社がオリンピック前に予想した日本の金メダル獲得数は14個。現在12だから、ほぼ予想通りの出来である。
ちなみに、そのデータ会社のメダル予想は、金14、銀10、銅14、合計38。トータルでは予想を上回った。
国別とはいえ卓球は、中国出身の選手が多く出場していた。卓球女子の部の準決勝の相手はドイツだが、中国出身者であった。シンガポールもそうだった。シンガポールは中国人が多く住む国だから中国系がいてもおかしくはないが、中国から移住した選手だった。
なんでも、卓球女子の出場国16か国のうち、11か国に中国出身者がいたそうだ。世界選手権に比べオリンピックは出場資格のハードルが低いので国籍を変えれば三年で出場できる。ふーん、難民で国籍を変え、出場となれば応援もしたくなるが、ビジネスならば多少しらける。
ルクセンブルグの中国出身の女子選手は53歳だった。言っちゃあ悪いがおばさんである。だけど経歴はすごい。ずいぶん前だけど世界選手権の金メダリストである。
中国は世界の工場と言われてきた。輸出大国である。モノだけでなく人材も輸出大国である。
ちょっと前に書いたが、アフリカで中国人が増えている。人材というより労働力。例えばスーダンは人権侵害により西欧諸国は経済制裁をしたが、その隙を狙って中国が賄賂攻勢で進出した。スーダンは石油が採れる。石油採掘や関連施設をつくった。それがスーダン人の雇用や経済発展に貢献するなら問題はないが、そこで働くのはほとんどが中国人という。スーダン人の働く場はきわめて限られたところにしかない。石油の利権で潤うのは政府高官か上層階級だけで、国民は貧困にあえぐという状況が続いている。(このあたりは岩波新書の『アフリカ・レポート』に詳しい)
そのほかの国にも中国人の進出は著しい。中国人にしてみれば、中国で雇用チャンスがなければ海外に行くしかない。そこで成功すれば豊かな暮らしができる。自由もある。ということで一旗揚げて凱旋という気にはならない。定住する。さらに親族も縁者もやってきて、チャイナタウンが形成されることになる。
というようなことをぼんやり考えているうちにそろそろオリンピックは終了する。
日本から国籍を移したスポーツ選手は・・・・、ひとりいた。カンボジア代表の猫ひろし。男子マラソンは明日だ。キャット言わせるような記録は、ま、出ないだろうな。
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