鯉昇独演会 マクラの芸
生田寄席に行ってきた。今回は瀧川鯉昇独演会。
鯉昇の芸については、当ブログでも何回か書いてきたので、細かなことは省く。
鯉昇噺のおもしろさは、まずマクラにある。高座に昇り、ざっと客席を見渡してから、ぽつりと語り始める。これだけど笑いが起きる。計算ずくの演技とわかっていても可笑しい。つかみはオッケー。
まず、舛添ですと語る。この間、舛添ネタが受ける。確かに顔の上半分、頭の禿げ具合、ぎょろ目は似ている。下半分の口元は似てないから、マスクをすればより舛添さんに近づく。
毒気のある話題も鯉昇流の話術でくるむとゆるくなる。
たとえば、こんな調子。
お爺さんは朝から山に柴刈りに行きました。
お婆さんは川に洗濯に行きました。
上流から悲鳴をあげてお爺さんが流れてきました。
お婆さんは・・・・見て見ぬふりをしました。
今回の演目
武助馬
佃祭り
「武助馬」は、芝居で馬の後ろ脚になる男の噺。
「佃祭り」は、佃島の住吉神社に祭り見物にでかけた小間物屋の旦那が終い船に乗り遅れてしまう噺。
乗り遅れたのは、船に乗ろうとすると見知らぬ女に引き留められたから。かつて吾妻橋で身投げをしようとするところを助けた女だった。亭主は船頭なので船はいつでも出せる、そのまえにぜひお礼がしたいと女は家に誘う。しばらく家にいると、亭主が帰ってきて、乗ろうとしていた終い船が転覆したことを知らせる。船に乗り遅れたことで命拾いをしたことになる。
一方、旦那の店では、大騒動となるが、早々と弔いの準備を始める。そこに死んだはずの旦那が帰ってくる。
よく出来た短編小説のようである。好きな噺のひとつだ。
ということで、鯉昇の芸をたっぷり味わい、笑わせてもらった。いいひとときでした。
この写真は独演会終了後に撮ったもの。 目から上は似ているでしょ。 下半分、口回りは似ていない。
鯉昇さんが舛添さんに似ているかどうか、写真を見てご確認いただきたい。
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