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2016年9月29日 (木)

 「別冊談笑」  今回は「佃祭」と「帯久」

 北沢タウンホールが改装のため一年半ほど使えなくなる。その改装前最後の落語会「立川談笑独演会」に行ってきた。

 ネタはあらかじめ決まっていて「佃祭」と「帯久」。いずれも大ネタ。私の好きな演目であるが、談笑では聴いたことがない。談笑だからオーソドックスにはやらない。どのように改作しているか、そのあたりが楽しみである。

 「佃祭」はひょんなことで命拾いをする男の噺である。佃祭りの帰り、娘に呼び止められて、終い船に乗り遅れてしまう。ところが、乗ろうとしたその船は転覆して乗っていた客は全員亡くなってしまう。あやうく命を失うところであった。娘は恩人ということになるが、実は三年前、吾妻橋から身を投げようとした女を助けたことがある。まさにその娘だった。

 よくできたストーリーだが、後半、残り三分の一ぐらいで与太郎が登場する。ここから話はつまらなくなる。オチ、袂に入れた梨がオチとなるのだが、これがわかりづらい。で、前半でやめてしまう演者も多い。

 ということで、談笑はこのあたりを改作しているのだろうか。

 結果はまったく違っていた。娘の声を振り切って船に乗り込んでしまう。そして転覆。溺れる寸前に船頭(娘)に助けられるというストーリーにしている。その後はまったく違った展開となるのだが、談笑らしく工夫が凝らされていた。

 もうひとつの「帯久」。米朝、志の輔のCDを聴いたことがある。大岡政談もの。和泉屋与兵衛と帯屋久七の対立を勧善懲悪よろしく大岡裁きをする噺である。

 元ネタには法律的なアナ(欠陥)があるというので、基本構造を変えずに裁きの部分を大幅に変えている。

 アフタートークで、評論家の広瀬和生さんは改作を評価していたが、いや、元ネタ、米朝や志の輔バージョンの方がおもしろいように感じた。江戸時代の講釈ネタだもの、アナは大目に見てもいいのではないか。

 どちらの演目も演って二三度ということだから、生硬な部分がある。なんども演るうちにストーリーは洗練されていくに違いない。でも、まあ談笑バージョンも聴く価値はある。

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 写真はアフタートーク。撮影OKがでた。北沢落語会のネタ帳をネタにしたトークのシーンである。見えないがネタ帳の表紙は柳家喜多八の手によるもの。能筆だった。三遊亭わん丈が上手いらしい。

 

 ついでのひとこと

 開口一番は、立川笑二だった。演目は「饅頭こわい」。ありふれた演目だが、随所に笑二らしい工夫が凝らされていた。

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