かたわれどき? 「君の名は。」
「君の名は。」の興行収入が130億円を超えたという。大ヒットである。
遅ればせながら観てきた。驚いたのは観客に高齢者が多かったことだ。ふーん、そうか。客層は広がっているのだ。
これだけ観ている人がいるのなら、並の映画評を書いてもおもしろくないので、別の話。
「かたわれ」ということばが出てきた。アレ?「かわたれ」の間違いじゃない?
聞き間違いではない。たしかに、かたわれと言った。
かわたれ(どき)は、夜明け前のまだ薄暗いころを指す。彼はだれか、からきている。たそがれは、だれそ彼? であって、夕暮れのころを指す。夕暮れにかわたれを用いることもある。
かたわれは、片割れで、仲間の一人を指すときに用いられる。手許の辞書で調べてみた。時を表すような意味はない。三省堂国語辞典に「片割れ月」という用例を見つけた。半月のこと。月が出ているのなら、夕暮れから夜明け前である。
映画では、三日月だったか半月だったか定かではないけれど、月が出ていた。月が出ているなら、夜中か薄暗いころである。片割れ月が夕暮れなり夜明け前を指すってことはないとは言えない。でも、まあ、ふつうなら、かわたれだろう。それとも、かたわれどきは、夕暮れを指すどこかの方言なのかもしれない。
映画に戻る。
「君の名は。」のストーリーは込み入っている。一度観ただけでは、よくわからない部分がある。それを確かめたくってもう一度観るってことはある。印象的なシーンもある。で、リピーターが増える。リピーターと客層の広がりが大ヒットを支えている。
「シン・ゴジラ」もそうだったが、3.11がなければ生まれなかった映画である。
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