喬太郎の当意即妙ギャグ
雨ん中、鶴川落語会に行ってきた。林家正蔵と柳家喬太郎の二人会。今回が4回目になる。毎年楽しみにしている。二回目となる一昨年の会が面白かった。抱腹絶倒というか印象に残る落語会だった。その時の様子は、遡って当ブログご覧いただきたい。
喬太郎落語の魅力のひとつは当為即妙のギャグにある。アドリブのうまさは天下一品。爆笑を誘う。
今回、トリの演目は「梅津忠兵衛」だった。小泉八雲の怪談で、たぶん喬太郎以外はやらない演目である。
腕力に優れた侍が見知らぬ女から赤子を預けられる。抱いているうちに石のように重くなっていく。そんな物語である。
怪談だから笑うような場面はない。しかしそこにアドリブでギャグをぶち込む。アドリブであって、前から考えていたものではない。マクラで語ったことや、正蔵がやった演目に関連したもので、この場でしか使えないものだ。計算せずにさらっとギャグを入れる。上手いものである。喬太郎人気のひとつはこれにある。
と書いても、観てない人にはその面白さはわからないと思う。くどくど説明するのは面倒だ。ぜひライブで喬太郎を聴いてほしい。とにかく笑える。
今回の演目。
喬太郎 粗忽の使者
正蔵 ねずみ
正蔵 ぞろぞろ
喬太郎 梅津忠兵衛
正蔵は自分のスタイルを崩さない。演目は、人情もの、真っ正直の人物が登場するものが多い。健全なキャラで、まじめなボンボン。五十を過ぎても可愛い。
今日の日経新聞の文化欄(最終ページ)に正蔵のエッセイが載っていた。笑いの修業といった内容。まじめに書いている。
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