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2016年11月11日 (金)

 トランプのブラフ

新聞の論調は、まるでジョーカーを引いてしまったような困惑ぶりである。

ま、トランプだからね。うまいブラフにひっかかようなものだ。

敗北したのはヒラリー・クリントンだけではない。マスコミもである。有権者の投票心理を見抜けなかった。

粗っぽく、枝葉を取り払って分析すれば、WASPの逆襲である。ホワイト・アングロサクソンのプロテスタントが押し切った。増え続けるヒスパニック系、そしてムスリムへのおびえが投票行動となった。今回、かなりのヒスパニック系もトランプに票を投じたという。先住ヒスパニックも増え続ける移民に自らの仕事が奪われるのではないかと怯えを感じたからだ。

アメリカは移民社会である。移民に許容的であるが、なんでもどこまでも許容的ではない。先行移民(先住者)は新参移民によって自分たちの立場や優位性が脅かされるとなると、たちまち態度を変え、新参移民に対し抑圧的になる。

かつての開拓時代もそうであった。イギリスやフランスなどの先行移民は、後からきた東ヨーロッパなどの移民を排除しようとした。土地や仕事が奪われかねない事態を怖れて、新参移民に対し暴力的になった。

以前にも書いたが、マイケル・チミノの「天国の門」は先住移民と新参移民の対立を描いた映画である。実話をベースにしている。不人気な映画だったが、駄作ではない。ぜひDVDでご覧いただきたい。

いま、ヨーロッパではシリアやリビア難民に対する風当たりは強くなっている。許容範囲を超すとたちまち排斥の方向に向かう。イギリスのEU離脱も背景にそれがある。

 世界的に、ヒトの流動性についてはブレーキがかかりつつある。

 日本はもともと移民や難民受け入れについては厳しい態度をとおしてきた。難民はなんとかしてやろうという優しい政策は封じられている。たとえば北朝鮮が大混乱となり、脱北難民が日本に押しかけたら。人々はどんな態度をとるのだろうか。

 話が反れた。トランプである。ハートのエースはあるのか。なくてもブラフをかますんだろうな。

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