無料ブログはココログ

« 「落語界うわさの真相」 続き | トップページ | 「とうもろこしの島」ジョージア版「裸の島」 »

2016年12月16日 (金)

文庫Xの正体

 文庫Xの正体が明らかになった。

 文庫本にカバーをかけて中身を見えないようにして陳列する。ジャンルはノンフィクション。書店員がゼッタイのおすすめとして覆面本として陳列した。「どうしても読んで欲しい」というキャッチフレーズ。これが受けた。話題になり、けっこう売れたという。

 もし既読本だったらどうなのよ、ということで買わなかったけど、気にはなっていた。

 それが清水潔著『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』だった。

 ああ、この本は読んでいる。買わなくてよかった(買うつもりはなかったのに)。

 清水潔の著作については、当ブログで採り上げたことがある。昨年の10月に『騙されてたまるかー調査報道の裏側』について書いている。調査取材の視点で、桶川素トーカー事件や群馬小児誘拐殺害事件を解説したものである。『殺人犯はそこにいる』の関連本である。

 菅谷さんをご記憶であろう。菅谷さんを冤罪から救ったのはひとえに清水の尽力である。清水の綿密な取材がなければ、そのまま放置された事件である。

 警察は菅谷さんを犯人と決めつけ、新証拠(たとえば新たなDNA型鑑定)があっても動かなかった。警察や検察の不作為ともいってよい壁を乗り越え、裁判で冤罪をはらすことになった。

 官は無謬主義である。間違ってはいない、間違ったことをしてもそれを隠蔽するといった体質がある。それを乗り越えての活動であった。真犯人も特定しているが、警察は現在も動いてはいない。

 

 ま、読め! 読め! 読んでないと、人生損するぜ。

 それほど高ぶって言うこともないが、掘り起こしの名作であることは間違いない。

« 「落語界うわさの真相」 続き | トップページ | 「とうもろこしの島」ジョージア版「裸の島」 »

読書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 文庫Xの正体:

« 「落語界うわさの真相」 続き | トップページ | 「とうもろこしの島」ジョージア版「裸の島」 »