生田寄席 今回は入船亭扇遊
生田寄席に行ってきた。この会は年四回開催される。会場の棕櫚亭は元レストランで、ぎゅうぎゅう詰めて50人ぐらいで満席となる。きついけど演者との距離は近く、砂かぶりというか唾かぶりというか、迫力ある落語を聴くことができる。
今回は入船亭扇遊。60代半ば、円熟の時を迎えている。見るからに温厚で、誠実な印象を受ける。
ひと目上がり
片棒
井戸の茶碗
「ひと目上がり」は前座噺であるが、憶えるにはけっこう手間がかかる。「片棒」「井戸の茶碗」は大ネタ。一人で三席をこなすにはけっこう体力も気力もいるが、扇遊さんはきちんと演じた。
これまで何回か扇遊さんを聴いているが、今回が一番よかった。舌の滑りもよかったし、勢いもあった。まさに円熟である。
前後するが、開口一番は入船亭こ辰だった。前座だが、この5月には二つ目になる。前座にはネタ帳を書く仕事がある。これでしくじったことがあると言う。「井戸の茶碗」の椀を腕と書いてしまい、権太楼師匠にからかわれたと喋っていた。ま、間違いやすいわな。
「井戸の茶碗」には、正直な人が何人も登場する。くず屋の清兵衛さん、浪人の千代田卜斎、細川藩の武士・高木佐太夫。その正直で実直さが故に笑いが生まれるという噺である。
ということは、扇遊さんにはふさわしい演目といえる。くりかえすが、迫力もあってよかった。
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