クール・コリア
韓国が混迷している。
パク大統領は罷免となったが、これで幕引きとはならない。北との緊張は続く。THAADの配備を巡っては中国も反対し、圧力をかけている。ロッテグループは意地悪をされ、韓国への観光ツアーも制限されている。日本とは慰安婦像の問題で外交に支障をきたしている。
景気も低迷している。昨年末、韓国トップの海運会社が破たんした。ヒュンダイも伸び悩んでいる。北京のタクシーはヒュンダイ製ばかりで、中国自動車市場にしっかり根を下ろしているが、これからはどうなるかわからない。韓国最大の企業・サムスンもトップが逮捕されたり、スマホのトラブルがあったりして、かつての勢いはない。
格差問題もある。いい大学を出ていないと一流企業に就職できないとのことで、若者の反発や閉塞感が広まっている。
日本にいると、それほどの切実さ伝わってこないが、実態はかなり深刻のようだ。
先日、韓国映画「お嬢さん」を観た。「網に囚われた男」に続いての韓国映画である。大金持ちのお嬢さんをだまして大金をせしめようとする物語である。どんでん返しもあって面白いという映画紹介を目にしたので、新宿まで出かけた。
日本統治下の朝鮮が舞台である。日本語と朝鮮語が飛び交う。ちょっと難解な部分もあるが、耽美的で、怪奇な映像美を追求した作品である。
おどろいたのは性描写である。レズシーンがある。正確にはLGBTのBになるのだろうが、女性同士が性器をこすりあわせたりするシーンがある。「アデル、ブルーは熱い色」を思い出した。せりふも日本ではおなじみの四文字もでてくる。日本ならはばかることばだが、韓国映画だからそのあたりは緩いのか。北斎のあのオオダコが女性にからむ春画も映し出される。
アナタは観にいきたくなるかもしれないが、過大な期待はしない方がいい。その手のシーンはわずかしかないから。
従来の韓国映画からするとずいぶん風合いが異なる。韓流の映画といえば、悲惨な家庭ドラマかハリウッドばりのアクション映画と相場はきまっていたがこれは違う。
まさに爛熟。爛熟とは頽廃であるけれど文化的には成熟である。一種のポストモダンである。
ひとつの現象、映画をとりあげて云々するのは慎重でなければならないが、韓国のひとつの時代の終りが感じられる。「漢江の奇跡」は遠い昔の話なのである。
韓国はじっくりエージングを重ねていくような気がする。
WBCで韓国はあっさり敗退した。これもひとつの象徴。WBCで国全体が熱狂するような国は大人ではない。これでいい。クールに敗北を味わえばよい。
ということで、夕日を眺めながらマッコリを傾けるのもわるくない。
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