「グリーンホール八起寄席」 鯉昇と文菊
相模大野のグリーンホールでの「八起寄席」に行ってきた。この落語会、通算600回、二十周年になるそうだ。市民ボランティアに支えられ、地域にしっかり根付いた落語会である。
演者は四つの落語会派(落語協会、圓楽一門、立川流、芸術協会)から出ている。今回は、古今亭文菊、三遊亭喜八楽(キャラク)、立川談修、瀧川鯉昇の四人。
演目はつぎのとおり。
文菊 幇間腹
喜八楽 五人廻し
談修 転失気
鯉昇 武助馬
いずれもおなじみの演目である。
喜八楽を聴くのは初めてかもしれない。圓楽一門では兼好と萬橘ぐらいしか聴かないので、それ以外は馴染みではない。
今回の「五人廻し」は昨年亡くなった喜多八に教わったそうだ。しかもこのグリーンホールでの待ち時間で。思い出深い演目。そのせいか、丁寧にたっぷり演じた。ただし盛り上がりに欠けた。
今回、予想通り文菊と鯉昇はすばらしかった。この二人は上手い。文菊はいつものようにけれんたっぷりに演じた。これが可笑しい。まだ四十にもならないのに老練さを感じさせる芸だった。
鯉昇は、これもいつものようにとぼけたマクラで笑わせる。
こんな感じ。
おじいさんは朝早くから山に柴刈りに行きました。
おばあさんは朝寝をしてゆっくり川に洗濯に行きました。
洗濯をしていると川上からおじいさんが悲鳴をあげて流れてきました。
おばあさんはそれを見て、見て見ぬ振りをして家に帰りました。
そして、若い男と再婚してたのしく暮らしました。
で、「武助馬」。これは歌舞伎で馬の足になる男の噺。前半はともかく、後半はどたばたになるが、鯉昇バージョンはさらにヒートアップ。スラップスティック落語になる。会場は大爆笑。
いやあ、うまいもんである。おもしろかった。
ということで、他の二人にはわるいが、鯉昇、文菊は見逃せない。いい落語会だった。
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