馬るこ真打昇進披露公演
昨日の続き。夜は成城ホールに出かけた。
今回の昇進披露の会は、「新にっぽんの話芸」の特別版として行われた。広瀬和生がプロデュースした、三遊亭萬橘、立川こしら、そして鈴々舎馬るこの三人会が「新にっぽんの話芸」である。これに師匠の鈴々舎馬風と三遊亭天どんが加わった。
萬橘が「孝行糖」、こしらが「松竹梅」。いずれも型破りな噺にしていた。とりわけこしらはまともにはやらない。もちろんマクラは、馬るこをもちあげたり、けなしたりのギャグをたっぷり練り込んで。
三席目は馬風の予定だったが、天どんが登場した。馬風の体調が悪く、楽屋でひっくりかえっているので、出番を変えたとのことである。天どんの噺は、いつも尋常ではない。
今回の噺。アパートにデリヘル嬢を呼んだら、そこに彼女が来てしまい、続いて妹が来て、さらには社長まで来てしまうといった荒唐無稽なストーリー。演目は「呼ぶ男」というらしい。
当人曰く、古典噺の「錦の袈裟」などありえないトンデモ噺で、作られた当時は非難を浴びたはずだが、いまは古典として立派に残っている。だから俺の新作はどう言われようとこれでいいのだと主張する。ま、そのとおりではあるけれど・・・。
中入り後は真打ち昇進の「口上」。馬風も高座にあがった。予想どおり爆笑の口上となった。馬風はちょっとつらそう。退院したばかりという。しかし無言でも表情が笑える。
なにかに似ている。鳥獣戯画の大蛙。カエルの大王といった雰囲気。馬風の二つ目時代の名は、柳家かゑるだった。
急遽のトークをはさんで、トリ。馬るこは、なにをやるのかと思っていたら、「真景累ケ淵」の発端、「宗悦殺し」だった。シリアスなストーリーだが、それはそれ、時事ネタ、噺家の悪口などを織り込んで、笑いもたっぷりの噺にしていた。熱演でした。
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