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2017年6月29日 (木)

「ジーサンズ はじめての強盗」

 いっぱい喰わせるという映画のジャンルがある。金持ちをだまして金を奪うとか、詐欺にあった被害者がトリックをつかって金を取り戻すとかといった映画。痛快である。

もうひとつ、どんでん返しで観客をあっといわせる映画である。だまされて楽しい。

ジーサンズ はじめての強盗」はいっぱい喰わせる痛快コメディということになる。

 モーガン・フリーマンマイケル・ケインアラン・アーキンの三人が銀行強盗を企てる。老後を悠々自適に送っていたが、突然、年金が打ち切られることになった。追い打ちをかけるように、住宅ローンの金利があがり、家が差し押さえられる危機に陥る。

 マイケル・ケインは銀行強盗に出くわす。で、それにヒントを得て、年金分をとりもどすべく銀行強盗を思いつく。入念な準備をするのだが・・・といったストーリーである。

 年金打ち切り、住宅ローンのからくりなど、わかりやすい社会問題を背景にしたコメディなので、強盗側に声援を送りたくなる。

 で、映画として成功しているかというと、首を傾げたくなる部分もある。前半の万引きシーンなどドタバタが過ぎる。ほどよい爺さんたちのコメディだから無理に笑わせることはない。

 三人はフランク・シナトラ、サミー・デービス・ジュニア、ディーン・マーチンのマスクをかぶって銀行に現れるあたりは、高齢者向きの映画になっている。気楽に楽しめる。タイトルのジーサンズは安直すぎるけど。

 アン・マーグレットも出演している。若いアナタは知らないかもしれないが、セクシーな美人女優だった。とうぜんオバサン役だけど、色っぽい。歌手でもあった。「バイ・バイ・バーディ」などのヒット曲を思い出す。オールド・ファンには懐かしい。

 ついでのひとこと

 銀行強盗の場面でマスクをかぶった犯人の入れ墨を見てしまうシーンがある。ベン・アフレックの「ザ・タウン」でも同様なシーンがある。銀行強盗側が入れ墨を見られたのではないかとの疑念からストーリーが展開していく。ここからヒントを得たのだろうか。

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