「ニライカナイで逢いましょう」
桂春蝶独演会(成城ホール)に行ってきた。
半年ぶりの春蝶である。この会は「落語で伝えたい想い」というシリーズタイトルがついている。感動的な歴史の一場面を切り取って落語にするという企画である。前回は、明治時代、和歌山沖で遭難したトルコ軍艦の乗組員を住民が救ったという史実を脚色したものだった。
今回は、終戦間近の沖縄と鹿児島を舞台にした物語。ひめゆり学徒隊にいる看護婦長と知覧の特攻隊員の夫婦を描いたものである。「二ライカナイで逢いましょう ~ひめゆり学徒隊秘抄録~」という長いタイトルがついている。
沖縄戦、ひめゆり学徒、特攻隊とくれば、もう悲惨な話となるが、その分、感動的なエピソードもある。それを掬い取ってストーリーとしている。熱演であった。春蝶は沖縄に行ってかなり取材したそうだ。
落語は笑いを基本とする。観客の多くはバカバカしい笑いを求めている。シリアスな人情ものであっても人間のバカらしさが底辺に流れている。春蝶の今回の噺は感動的ではあるけれど、笑いがない。笑いを求める客にとってはちょっとツライ。聴くには重い。これが講談なら素直に聴けるのだが・・・。
もっとも、中入り前では「山内一豊と千代」を演り、たっぷり笑いをとっていたから、ま、いいか。
ところで、ニライカナイとは琉球では理想郷を指している。仏教でいうと、西方浄土のようなものか。
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