その心は?
まだネット・サーフィンなどということばがない時代、ディクショナリー・サーフィンというか辞書パラパラをやっていた。思いがけない語釈や用例に出会ったりして、楽しい暇つぶしになった。
ちかごろは目が悪くなったのでめったにやらない。それでも引くついでにということもある。道草ですね。スマホに内蔵された国語辞典(ネット辞書)がどの程度のものかチエックしてみた。
内蔵辞書は「明鏡国語辞典」。「こころ」の語釈がおもしろかった。
国語辞典の語釈は正確性や厳密さが要求されるが、すべてがそうなっているわけではない。遊びもある。
語釈のひとつに、「なぞで、答えの成り立つ根拠」とあった。
これだけではよくわからない。何々とかけて何々と解く。その心は、ってやつ。
で、その例を挙げている。
「朝刊とかけて坊主と解く。その心は、けさきて(今朝来て・袈裟着て)きょう(今日・経)読む」
大喜利かよ。座布団一枚、ってほどではないけど、悪くはない。
と、すると、他の辞書がどうなっているか気になった。
「三省堂国語辞典」は、意味。わけ。「その心は?」、とあっさりした語釈で、例はない。
「新明解国語辞典」、こちらは期待どおり、例を挙げていた。
「江戸っ子は五月の空の鯉のぼり。その心は、口だけあってはらわたがなし」
なるほど。落語のマクラでは、ちょっと言い方を変えて、江戸っ子は五月の空の吹き流し 口先ばかりではらわたはなし、などとつかわれることが多い。
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