「納涼長講三人会」
またまた落語である。きのう、「納涼長講三人会」(麻生区民ホール)に行ってきた。
演者がすごい。柳家さん喬、柳家権太楼、柳亭市馬。落語通ならこのラインアップに驚くはず。いずれも落語界の重鎮、大看板である。噺の上手さは極上。笑点のメンバーなど足下にも及ばない。ただし知名度と人気では笑点メンバーには負ける。
麻生区民ホールの収容人数はおよそ1000人。すこし空席はあったが、ほぼ満員と言ってよい。
さん喬はしっとりした人情モノを得意とする。権太楼は爆笑系の代表。市馬は美声と大道をいく芸である。
今回の演目
市馬 船徳
権太楼 火焔太鼓
さん喬 幾代餅
いずれもおなじみの噺である。市馬の「船徳」は実はなんども聴いている。なんど聴いてもおもしろい。名人芸だな。権太楼の「火焔太鼓」は初めて聴いた。古今亭の噺だが、それが権太楼の手になると笑いがさらに弾ける。こんなに大仰に、にぎやかにやるとは思わなかった。さん喬の「幾代餅」は以前聴いたことがある。端正な語り口で、しっとりとした人情噺さに仕立てている。
この三人、芸風は異なるが、いずれも観客を惹きつける魅力ある噺家である。さすがだなあ。
終演後、ホールを出ると土砂降り。集中豪雨である。ま、三十分もすれば止むだろうと雨宿りをしていたのだが、ちっとも止まない。一時間以上たっても止まない。しびれを切らして、雨ん中を駆けだした。たちまち濡れそぼる。熱いからだが少し冷える。これがほんとの納涼か。
ついでのひとこと
開口一番は前座の柳亭市若だった。先週の鶴川ホールでの権太楼独演会でも開口一番を務めた。二週続けてである。新百合ヶ丘の住民とのことである。地元の噺家である。うまくなるかどうかは本人次第だが、しばらくは注目しておこう。
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