「忍びの国」 伊賀の乱
戦国時代、伊賀にはこれといった領主はおらず、いくつかの部族(というほど規模は大きくないが)による合議制を採ってきた。これといった産業はなく、人材派遣によって金を稼いできた。忍者である。
忍者の主たる仕事は情報収集である。手裏剣を投げたり、闇に紛れて暗殺なんてことはあったかもしれないが、本来は情報を集めたり、ときにはフェイクニュースを流したりした。
映画「忍びの国」を観てきた。織田信雄の軍勢による伊賀攻め、世に言う第一次天保伊賀の乱を描いている。和田竜の同名小説を映画化したもの。原作は戦いの場面が長く続く。
伊賀忍者の無門を演じるのは、嵐の大野智。その妻・お国には石原さとみ。無門はめっぽう強いが、お国にはからきし弱いという役どころ。
うーん、はっきり言って、大野クンの役どころではない。原作のイメージとは違う。ここはTOKIOの長瀬智久あたりがいいのではないかと思う。強そうだし、ひょうきんな面もある。同じ智だしね。
といったことを考えながら観ていたんだが、戦いのシーンはそれなりの迫力はある。だけど、ま、それだけって感じだった。
織田信雄が伊賀領地内に丸山城をつくって攻め込むのだが、伊賀軍に撃退される。これが第一次伊賀の乱。これに怒った信長が大軍勢で攻め立てて伊賀を滅亡させるのが第二次伊賀の乱である。
これで伊賀忍者は壊滅するのだが、そこで終わらないのが「忍びの者」である。村山知義の小説。全五巻ある。石川五右衛門や霧隠才蔵などが主人公となる。これを新たな感覚で映画化したらおもしろい。特に第三巻の才蔵を主人公にしたものはスケールのでかいいい映画になると思う。
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