「落語外伝」 今回は「井戸の茶碗」
昨夜、立川談笑独演会に行ってきた。今週、またまた落語ね。
談笑は古典噺を改作するのが得意で、さまざまな話題作、名作を作ってきた。「シャブ浜」とか「ジーンズ屋ようこたん」とかね。「落語外伝」はその延長線にある。今回で三回目。初回は「文七元結」を採り上げ、左官の長兵衛には息子がいたという設定にした。お久の兄である。長兵衛がなぜ仕事をせず、ばくちにのめり込むようになったか、息子と関わりのあることとし、ストーリーに膨らみを持たせた。あたたな親子像をつくりあげ、味わいのある「改・文七元結」になっていた。
二回目は「居残り左平次」。時代設定を幕末にし、勤王佐幕のいざこざを織り込んだ。映画「幕末太陽傳」と同じ設定だから、違和感はなかったが、ちょっとまとまりに欠けるという印象が残った。
サブタイトルに「それまで・そのあと・スピンオフ」とあるように、改作でなくてもよい。今回は「井戸の茶碗」。落語にしては登場人物が多い。それら人物の過去や未来を描いてもよい。千代田卜斎はなぜ浪人をするようになったかとか、高木作左衛門と卜斎の娘の結婚生活はどうなったかでもよい。くず屋の清兵衛さんの行く末でもよい。
ということで、今回は・・・
中入り前が「井戸の茶碗」だが、談笑バージョンはもともとオーソドックスなものではない。正直者ばかり登場するのはおかしいだろうという視点から、金はやっぱり欲しいという人物像に変えている。清兵衛さんは預かった小判を持ち逃げしようと一時は考える。
また、オチは、本来は「磨くのはよそう、また小判がでるといけない」となるが、そこも変えている。もともとが「改・井戸の茶碗」なのだ。
中入り後は「井戸の茶碗 それから」という内容になっていた。
作左衛門とト斎の娘の間にできた子の話となる。その男の子・作次郎(と思うが、定かではない)は成長し、目利き(井戸の茶碗を鑑定した目利き)の娘と結婚するという設定。そこで、井戸の茶碗は、あの仏像は・・・・・・という展開となる。
ということで、落語を知らない人にはなにがなんだかわからないと思うが、そこまで飛躍するのかよとなって、しっくりこないところもある。でも、まあ、それなりの理屈というか説得力はあった。もうすこし練るといい新作になると思う。
次回は「らくだ」だそうだ。
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