「火花」と浅草キッド
芥川賞を受賞した又吉直樹の『火花』を映画化したものである。監督は板尾創路。
原作は大ベストセラーとなったが、私は読んでいない。興味がないわけではないけど、なんとなくパスしてきた。だから、お笑い芸人を描いたものという以外の知識はない。
封切り直後の日曜の午後だが、観客は予想より少なかった。こんなものか。
徳永(菅田将暉)はお笑い芸人の卵。先輩の神谷(桐谷健太)の弟子となり、お笑いコンビの山下(川谷修士)と芸に励んできた。そこそこ人気は出るものの、ブレークするほどではない。下積みである。
芸を磨くシーンは思いの外少ない。そのほうがよい。徳永と神谷とがかかわるシーンが多い。神谷のよくわからない言動が可笑しい。桐谷健太の演技が光る。
ロケ場所は吉祥寺と渋谷。ああ、あそこか、あの路地知っているとなるが、それはそれ。居酒屋で肉芽をつまみに酒を飲むシーンがある。肉芽がわからない。調べてみると豚肉とニンニクの芽の炒めものらしい。それも本筋とは関係ない。
売れない芸人がもがきながら生きていく姿を淡々と丁寧に描いている。それはよいのだが、ラストはおもしろくないというか、ものたりない。
エンドロールはいい。ビートたけしの「浅草キッド」が流れる。菅田と桐谷が歌っている。あの歌詞のイメージはこの映画(原作)と重なる。
「いつか売れると信じてた・・・」
「くじら屋の煮込み」が肉芽か。
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