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2017年11月29日 (水)

「立ち去った女」 鬼才ディアス

 この映画を観るには少しだが覚悟がいる。上映時間は予告編を入れると4時間(正味3時間48分)。途中休憩なし。尿意を催してはいけないから(途中でトイレに行ってもかまわないが)、水分を控えておかねばならない。17時45分からの上映だからふつうならビールを一杯飲んでおきたいところだが、それは我慢する。

 フィリピン映画。監督はラヴ・ディアス。この監督のことはよく知らないけど長尺の作品が多い。この「立ち去った女」はこれでも短い方だそうだ。ヴェネチア映画祭で金獅子賞を受賞している。

 一人の女性の物語である。ホラシアは人殺しの罪で30年以上刑に服する。冤罪だった。親友の女性がみずからやったと告白し、自殺する。かつての恋人がそそのかし、陥れたものだった。復讐すべくその男ロドリオを追って旅に出る。そしてロドリゴの住む島にたどり着く。

 貧困の島だった。格差の町でもある。貧民地域の隣に豪華な金持ちの家もあるが、金持ちも穏やかには暮らせない。誘拐されるおそれがある。警備の男を連れて外出する。ロドリゴもそうだった。

 彼女はゆで卵売りの男やゲイの男(ゲイは男だけど)と知り合う。そして拳銃を手にいれる。

 ディアス監督の特徴はカメラワークである。やや広角のレンズを用いて固定したカメラで撮影する(たった一カ所だけ手持ちカメラのシーンがある)。クローズアップやパンショットはなし。ワンカットがながい。焦れったいほどの長回しである。

 BGMもない。セリフ以外で聞こえるのは、車やバイクの音、犬の鳴き声。虫やカエルの声も聞こえた。そして雨音。これが効果的だった。エンドロールも無音だった。

 モノクロ、長まわし、固定のロングショットの映像、ちょっと癖になりそう。ということでディアスの世界に引き込まれていく。いい作品である。でもなあ、長すぎるぜ。もうすこし編集を工夫してもいいのではないか。

 上映が終わると、多くの人がトイレに駆け込んでいた。

 

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