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2017年11月24日 (金)

 今村昌平TVドキュメンタリー   策士・今昌

 

 アルテリオ映像館で、今村昌平監督のテレビドキュメンタリーを観てきた。「未帰還兵を追って タイ編」「無法松故郷に帰る」の二本。これ以外に「からゆきさん」「未帰還兵を追って マレー編」「ブブアンの海賊」が上映されている。いずれも1970年代初めの、戦後25年ぐらいに作られたものだ。今から50年近く前になる。

「タイ編」は、戦後もタイに住み続けている元日本兵3人を集めて戦中戦後の暮らしを語ってあってもらったものだ。今村監督自らが聞き手役で登場している。髭面で貫禄がある。

 若い頃は悪ガキだったらしい長崎出身の藤田松吉さんが、現地人や憲兵を殺したなどとあけすけに語る。戦争当時はビルマにいた。戦後、日本軍が迎えにくるという上官に話を信じ、現地にとどまったという。今村監督は藤田さんの言動から、ひそかに無法松と呼んでいた。

「未帰還兵故郷に帰る」はその続編。藤田さんを故郷の長崎に呼ぶという展開になる。

 妹は4人の子を抱え、暮らしていた。妹のことはかわいがっていたらしい。一方、長兄とはうまくいっていなかった。この兄も横暴なところがあった。

 藤田さんは戦後、戦病死したとの扱いを受けていた。生存が判明してからも兄はそれ相応の手続きはしなかった。藤田さんはそれに感情を爆発させる。このあたり迫力がある。

 しかし、冷静にみると、今村監督が裏で挑発したのではないかとも思われる。そそのかしがあった。それを映像にした。

 藤田さんはおもしろい人物だ。ことばに矛盾があるが、揺れ動く心情が伺える。天皇に対する敬意と、その反面、天皇(日本国)に見捨てられたという感情が交錯する。

 印象に残った藤田さんのことば。靖国神社を訪れたおり、「死んだ友の魂は、ここにはない」。

  

 ついでのひとこと

 ジンバブエの政局情報がテレビや新聞で伝えられているが、上っ面ばかりの情報でつまらない。深い考察やインサイド情報はあるはずだが、それを伝えようとしていない。

一方、日馬富士殴打事件報道の過熱ぶりというかバカ騒ぎにはあきれる。

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