「私の履歴書」 江夏豊
今月の「私の履歴書」(日経新聞)は江夏豊である。
豪腕ピッチャーだった。奪三振ではシーズン400を越す記録を持っている。まさにレジェンドである。
レジェンドのレジェンドたるゆえんは、あの「江夏の21球」という1イニングの投球である。
1979年の日本シリーズ。近鉄バファローズ対広島カープ。3勝3敗で迎えた最終戦は、カープが1点リードの7回、江夏がマウンドに立った。スコアは動かず9回裏となった。江夏は不用意なストレートを投げ、ヒットを許した。すかさず盗塁。これが失策となりランナー三塁。カープは満塁策をとる。
一死後、スクイズを見破ったかどうかは不明だが、投げた球は外角高めに外れ、空振りとなった。とびだした三塁走者をアウトにした。これで二死。最後は三振でゲームセット。こうしてカープは日本一になった。
このイニングを詳細に描いた山際淳司の「江夏の21球」はスポーツドキュメントの傑作として読み継がれ、そして語り継がれている。
私の履歴書はまだそこまで達しておらず、昨日(20日)はオールスター戦で9連続三振をとったところである。
どんなふうに書くのか。その前に、山際淳司の「江夏の21球」をあらためて読んでみた。多面的に詳細を淡々と簡潔な文章で描いている。あのシーンはテレビ中継で見ていないのだが、なんとなく見たような気分にさせられる。
冒頭の部分を引用する。
「近鉄バファローズの石渡茂選手は、今でもまだそんなはずがないと思っている。」
石渡はスクイズをはずされた選手である。
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