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2017年12月 6日 (水)

「め組の喧嘩」シネマ歌舞伎

 

 東銀座の東劇まで出かけてシネマ歌舞伎を観てきた。「め組の喧嘩」。主演は中村勘三郎。2012年、平成中村座で上演されたものだ。勘三郎はその年の12月に亡くなった。

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 芝神明宮が舞台にした相撲取りと「め組」の火消し衆との大騒動を扱った芝居である。神明さまは大門(浜松町)にある。江戸時代は相撲興行もある大きな神社だった。現在はだらだら祭り知られている。私も何回か行ったことがある。

「め組の喧嘩」は落語の演目にもある。私にとってはこちらの方が馴染みがある。

 落語でこの演目を最初にやったのは立川談志。CDで聴いたことがある。難易度の高い噺であり、十分こなれていない印象を受けた。その後、立川談幸のライブを聴いた。熱演であったが、歌舞伎役者のせりふ回しと比べると物足りなかった。

 長せりふを立て板に水のごとくまくし立てる場面がある。落語だと「五人廻し」とか「大工調べ」に似たようなセリフがあるが、あれよりテンポよく言いたてなければならない。いまひとつという印象を受けた。

 今回、勘三郎の声をじっくり聴いたが、さすが花型歌舞伎役者、素晴らしいせりふ回しだった。歌舞伎役者は「一声、二顔、三姿」といわれる。売りは声であって、容姿は二の次なのだ。

 ラストは平成中村座のロケーションを上手く使った演出になっている。中村座はもうそこにはないから、シネマ歌舞伎で観るしかない。勘三郎の姿も。

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