平成は「慰」
「平成」のカウントダウンが始まった。あと300日を切った。
この30年はどうだったのだろうか。平成の天皇を漢字一文字ならどう表現するのか。ひょいと「慰」という漢字が浮かんだ。
慰問、慰労、慰霊・・・天皇は精力的に各地を回られた。被災地など、とりわけ、先の大戦の激戦地への慰霊が多かった。平和への思いが強く感じられた。
平和そして憲法を守るという立場をしっかり表明されていたことに対し、天皇が左傾化したのではないかという見解がある。それは間違っている。天皇は終始一貫、ぶれてはいない。変わったのは世相の方だろう。とくに安倍政権になってから右傾化が目立つ。教育勅語を教材として用いるのを容認すると閣議決定をした。憲法改正への動きも活発化している。
あるエピソードを思い出す。
園遊会での将棋の米長さんとの立ち話。米長さんは東京都の教育委員を務めていた。その立場で、国歌斉唱と国旗掲揚が行われるようにするのが仕事と発言すると、天皇は「強制になるということでないほうが望ましい」と、にこやかに応えられた。
米長さんは、アワワと、一手バッタリ頓死を食らったようなあわてぶりだった。天皇は政治的発言をしないことになっている。これが政治的発言かどうかはおくとして、ホンネがかいま見えた。
そう、強制はやめたほうがよい。
残された平成の日々。天皇の慰労、慰霊の旅は続く。
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