「落語心中」 死神のオチ
テレビドラマはほとんど見ないのだが、NHKの「昭和元禄落語心中」はビデオ録画している。
感想をひとことで言うと、暗い! 落語芝居ではなく新派の舞台のよう。原作がそうなっているのだろう。
暗いけど、落語のシーンはおもしろい。ポピュラーな古典噺ばかり出てくるので、一言二言で演目を当てることができる。
柳家喬太郎(破門されたベテラン噺家という役回り)が落語を教えるシーンがあった。「死神」である。オチはしぐさオチだった。ローソクの火が消えると命が尽きて、そのまま高座でバタリと倒れる。三遊亭円生がつくったかたちである。
写真は以前にも紹介したが、死神をモチーフとしたストラップ。ローソクを手にして、表に、足元、裏に、枕元と書いてあるところが凝っている。芸が細かい。
死神のオチは、幾通りもある。ローソクの火がどのように消えるか、あるいは消すかが噺家の芸のみせどころでもある。
代表的なものを挙げると、小三治はせっかく火がついたのにくしゃみをして消してしまう。志の輔は明るいところに出たので、思わず吹き消してしまう。志らくは死神にきょうはおまえの再出発の誕生日だといわれ、バースデーケーキのローソクのように吹き消してしまう。
死神が無理矢理吹き消してしまうのもある。談志のやり方。喬太郎に、納得してみずから吹き消してしまう型もある。ローソクは息子の命と引き替えだと死神に聞かされたからだ。 突然風が吹いて、というパターンもある。
たくさんあって、だからおもしろい。
「落語心中」に話を戻すと、ぱーっと笑えるような場面がないのがちょっとツライ。暗いばかり。林家三平(もちろん先代の)のようなキャラが登場するシーンはないものか。
ついでのひとこと
しんゆりでイルミネーションが始まった。例年のように大々的に点灯式をやったのだが、これがみじめなほどにショボい。昨年とくらべると規模は小さいし、華やかさもない。
予算がなかったのか。暗い駅前となっている。ショボルミネーションだな。
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