石蕗の花
マンションの庭に石蕗(ツワブキ)の花が咲き始めた。
葉の形はフキに似ているのでその名がついたのだろうが、フキとは種類が違う。ツヤがある。
すくっと伸びた茎の先に黄色い花を咲かせる。冬の寒さに耐え可憐に咲く。華やかではないが、きりっとしている。
映画監督であった五所平之助の句を思い出した。石蕗の花はツワノハナと読む。
辞書編纂に一生を捧げた人を詠んだものだ。誰のことか。おそらく諸橋轍次だろう。『大漢和辞典』を編んだ漢字博士。ほかの国語辞典編纂者も考えられるが、時代的に考えて諸橋にまちがいなかろう。
寝ている時間以外、ほとんどを漢字と向き合った。何十年もである。
辞書編纂は地道な作業である。むかしは一人でやった。その孤高とでもいう日常と、すくっと伸びた茎の先に咲く石蕗を重ね合わせたのだろう。
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