Wホワイト落語会
「Wホワイト落語会」に行ってきた。成城ホールでの三遊亭白鳥と桃月庵白酒の二人会は最終となる。
冒頭、二人のトーク。時事ネタもあって、二人で二百万ずつ出し合ってゲストにあの人を呼ぼうかなどと。ま、誰もが考えそうなことだな。
白鳥 新ランゴランゴ
白酒 火焔太鼓
白酒 粗忽長屋
白鳥 メルヘンもう半分
「新ランゴランゴ」はケニア人の落語家の新作噺。新とあるのは師匠・円丈の新作をさらに改変したもの。人種差別というほどではないけれど、センシティブな部分もあるから寄席という空間でのみ成立する。
白酒の「火焔太鼓」「粗忽長屋」はいずれも以前聴いたことがある。今回、さらにダイナミックな演出となっていたような感じがした。
「粗忽長屋」は、八五郎が行き倒れの死体を熊五郎だと思いこみ、長屋に熊五郎に知らせに行くのが発端である。最後のオチは、死体を抱いた熊五郎が「抱かれているのは確かに俺だが、抱いてる俺はいったい誰なんだ?」となる。それを八五郎のセリフにしたところが白酒の工夫である。
トリの白鳥の「メルヘンもう半分」は、古典の「もう半分」をベースにしたもので、登場人物をムーミン、ミー、スナフキンに変えている。それが白鳥仕立ての改作である。
ラストはムーミン(古典では爺さん)の、もう半分というセリフで終わったと思ったら、続きがあった。さらにもうひと捻りして、オチは、ミーからでたサビ。
なるほど、うまいものだ。さすが新作噺家の真骨頂である。
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