談笑「落語外伝」 今回は「品川心中」
成城ホールでの一連の落語会はあとわずかになった。
立川談笑「落語外伝~それまで・それから・スピンオフ~」に行ってきた。会場にはこれまで成城ホールと北沢タウンホールでの談笑独演会のチラシが展示してあった。こうして並べてみるとずいぶんたくさんやったものだ。
品川遊郭の女郎お染めは盛りが過ぎて客がつかなくなった。いっそ死のうと、貸本屋の金蔵に心中を持ちかけるという古典噺である。近松風の心中ではない。
長い噺なので、前半後半(上下)に分かれ、ふつうは上だけ演じられることが多い。お染に突き落とされたものの死にそびれた金蔵が親方のところにたどり着くまでが前半(上)である。後半は親方とともにお染めに仕返しをする。お染に髪を切らせる。談笑は上下をたっぷり1時間以上かけてやった。
中入り後が今回の本題である。「それから」だった。頭を丸めたお染めは改悛し、金蔵に詫びる。そして二人は品川の隣の駅から遠くの地に旅立つというストーリーにした。そして餅屋を開いた。「黄金餅」のラストと似ている。旅立ったのは、品川のとなり、高輪ゲートウェイだったというオチ。いや、品川ケートウェイだったかもしれない。
お染めを悪者にしないというストーリーに仕立てたのが談笑の芸風である。前回の「子別れ」でも、女郎上がりの女房を優しい女として描き直していた。
この落語会、おわりに広瀬一生さんとのトークがある。これからやってみたい演目はと問われ、談笑は「慶安太平記」を挙げていた。
長い話だ。師匠談志は、その一部分をやっている。CDが残っている。講談では神田松之丞が最近通しで演じている。5夜連続でね。
小説では山本周五郎のものを読んだことがある。題名は「正雪記」となっている。由比正雪が埋蔵金を見つけ、それを元手にして幕府転覆を謀る。
ということで、談笑バージョンを期待しましょ。
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