ポーランド映画 宗教の影響
週二ぐらいのペースで映画を観ている。近所にシネコンもアートセンターもあるからね。
先だっては遠征して川崎市ミュージアムにも出掛けた。同じ川崎市なのに一時間以上かかるけど、珍しい映画をやるので、足が向く。
「ポーランド映画祭」が開かれている。祭りといっても、新旧6本の映画を上映するだけだが・・・。
ポーランド映画といえば、まず、アンジェイ・ワイダ監督の名が浮かぶ。カワレロビッチとかムンクが続き、そしてポランスキーとなる。俳優ならチブルスキー。それ以降となると、わからない。
今回は「灰とダイアモンド」(ワイダ)、「水の中のナイフ」(ポランスキー)のほか、ここ数年でつくられたシュモフスカヤ監督の作品二本が上映された。「君はひとりじゃない」と「顔」。それを観てきた。
「君はひとりじゃない」は、母の死により拒食症になった娘と検察官の父親のぎこちない関係を描く。これにセラピストがからむ。セラピストは霊媒師でもあり、なんとなくオカルトっぽくなるが、これがポーランド映画らしいというか、「尼僧ヨアンナ」を思い起こさせる。ポーランド映画を代表する傑作である。このあたりになると知っている人は少ない。若い人はまず知らない。歳の差。
「顔」は、巨大なキリスト像の建設現場で大けがを負った青年の話。移植手術により風貌も声もすっかり変わってしまう。恋人は逃げ、母親も青年を受け入れられない。
ロックのビートが響くが、内容はかなり宗教っぽい。教会の存在が大きい。懺悔室のようすなどが描かれる。ポーランドって共産主義を経験したけれど、宗教、カソリックの力は衰えてはいないようだ。監督自身の宗教観も反映されているのだろうが・・・。
映画で映し出される巨大なキリスト像は実際にあるのだそうで、リオのそれより大きい。
ワルシャワの新たな名所になるかもしれない。
写真はポーランド情報センターのサイトにあったその像。高さ33メートルだそうです。
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