「バイス」 チェイニー副大統領
桜も散り始め、近所の花の名所、麻生川も花筏状態になっている。桜の散った部分だけを撮ると、白い帯になり、桜の花びらかなんだかわからない。で、半分ぐらいのところを撮ってみた。
映画は「バイス」。バイスとは、ブッシュ(ジュニア)のバイス・プレジデント(副大統領)だったディック・チェイニーを描いたもの。
先日「記者たち~衝撃と畏怖の真実」を観たが、一部はそれと重なる。チェイニーが演説する場面(テレビ映像)が映し出されていた。
チェイニーは飲んだくれで大学では退学処分を受けるが、持ち前の勘のよさと妻の支えで、のし上がっていく。いっとき、政界から離れるが、ブッシュの要請で副大統領となる。そして、同時多発テロ以降、いわば陰の大統領として手腕を発揮、情報をコントロールするなどの策を弄し、イラク侵攻へと突き進んでいく。
監督はアダム・マッケイ。「マネー・ショート 華麗なる大逆転」がある。あの映画はおもしろかった。サブプライムローンを隠したインチキ債権の欺瞞性を察知し、リーマンショックを生き抜いた(逆張りで大儲け)男たちを痛快に描いた名作である。あのテンポが「バイス」でも生かされている。出演者がカメラに向かって、つまり観客に向かって語りかけるような手法を取り入れている。ただし、めまぐるしい展開なのでついて行くのがたいへん。
映画のチラシでは「世界をめちゃくちゃにした悪名高き副大統領」と書いてあるが、家族思いのシーンが多く、チェイニーに好意的に描いている。実際は、イラク侵攻で世界をめちゃくちゃにしたんだけど・・。
チェイニーを演じるのはクリスチャン・ベール。副大統領に似ている。そっくりさん! ブッシュもラムルフェルドも登場するが、クリスチャン・ベールのチェイニーほどには似ていない。
エンドロール直前に流れる曲は「アメリカ」(ウエストサイド物語)。アメリカ・ファーストをからかっている。「ワイルドスピード」が好きなお国柄をちょっぴり皮肉っている。
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