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2019年4月13日 (土)

 わかんねぇだろうなぁ

 倉本聡脚本のテレビドラマ「やすらぎの刻~道」が始まった。有名俳優がずらりと出ている。まだ観ていない。ときどきは観るとしても続けては観ることはない。放映時間が中途半端なのだ。写真は新宿地下道での告知広告。
 Dsc_0736-1 倉本聡の『ドラマへの遺言』(新潮新書)を読んだ。これまでの脚本家人生を振り返るとともに「やすらぎの刻~道」への意気込みを書いたものだ。裏話が多くてなかなかおもしろい。
 そのなかに北島三郎のエピソードがある。さぶちゃんは3000曲ぐらいの持ち歌がある。流し出身だからレパートリーは広い。地方でのコンサートではリクエストを聞いてすぐ歌う。歌えない曲はなかった。
 あるとき「女刑事」というリクエストがあった。知らない歌。おばちゃん、それ知らないわ、ごめん、と答えたが、はっと気づいた。それ「婦系図」だべと聞き返すと、そうだった。なまっていたので、ズとジがわからなかったのだ。「婦系図」ならわかる。
 アナタ、この歌、知ってます? 「湯島の白梅」。
 湯島通れば 思い出す お蔦主税の心意気・・・
 私はわかるが、若い人、いや中年でもわからない歌になっている。
 新派のお芝居。それが流行歌になった。湯島の場面は有名で、「別れろ切れろは芸者の時に言うことば・・・」というせりふはだれでも知っていた。小学生でも知っていた。
 このせりふが広まったのは、三亀松の力が大きい。三味線漫談。この湯島の場面をいろんな人の声色で演じた。歌舞伎役者とか芸人。笑ったのは金語楼のものまね。若水ヤエ子もやったように記憶している。水谷八重子ではなくて若水ヤエ子ね。といっても、これも知らないだろうな。ズーズー弁の女芸人。一世を風靡した。ラジオで聴いた子供たちはこのマネをした。
 ちかごろは、こういう話をしても若い人も中年もぽかんとするだけ。同世代としか分かちあえない。
 わかるかな、わかんねぇだろうな。
 松鶴家千とせのキャッフレーズ。いっとき、はやった。今、知っている人はほとんどいないんじゃないか。
 
  倉本聡からずれていってしまった。倉本作品で好きだったのは「うちのホンカン」。あれは毎回観ていた。大滝秀治と八千草薫が主演。これも、わかんねぇだろうな。

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