「セメントの記憶」 レバノンとシリア
シリアはどうなっているのか。気にはなるが、情報はすくない。
レバノンとシリアを描いた「セメントの記憶」をアートセンターで観てきた。一週間夕方だけしか上映されないので、観るチャンスはないかしらもしれないと思っていたが、ぎりぎり間に合った。
レバノンの記録映画である。レバノンと言えばゴーンさんの出身国(正確には両親)だけど、それとは関係ない。昨年「判決、二つの希望」が日本でも公開された。いい映画だった。レバノンには、シリアやパレスチナからの移民や難民が多くいることもわかった。
高層ビルの建設現場が淡々と映し出される。レバノン内戦後の、復旧の進むベイルートである。る。ときおりナレーションが入る。シリアからの出稼ぎでビル建設現場にいる父親を想ったものだ。
セメントの粉を吸いながらの作業。父親はセメントの臭いをさせながら帰国する。臭いが消えたころ、またレバノンに出かけていく。
一方、シリアではセメントで作ったコンクリートの建物が瓦礫になっている。瓦礫の中を戦車が走り、砲弾を放つ。倒壊した建物には下敷きになった人たちが多くいる。
ほとんどの画面はビルの作業現場である。無表情の作業員、クレーンやリフト、建設現場の騒音が響く。そしてビルからの眺め。
ストーリーはない。いわば映像詩ともいうようなドキュメンタリーである。
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