「希望の灯り」
海外旅行だったので、観たい映画がめじろ押し(ちょっと大げさ)。「居眠り音盤」も「空母いぶき」も後回しになる。川崎市アートセンターで「希望の灯り」を観てきた。
ベルリンの壁の崩壊は1989年。東西ドイツは統一されたが、東側はいわば負け組である。その格差はいまだ続いている。
「希望の灯り」はその東側のスーパーマーケット(ハイパーマーケットと言うべきか)で働く人たちを描いた映画である。正確な時代はわからないが、携帯電話のない頃、1990年代か。
若いクリスティアンはスーパーの商品管理の作業員として働き始める。寡黙でちょっと暗いが、同僚はみな親切にしてくれる。慣れないフォークリフトの運転にも次第に慣れていく。同じ職場で働くマリオンに恋心を抱くが、マリオンには夫がいた。
ほとんどがスーパーマーケットのバックヤードや売場のシーンである。商品棚は幾何学的で映像は美しい。
淡々として、これといった展開はない。でも退屈ではない。緊張感を強いられるのは、クリスティアンのフォークリフト作業。ミスをしないかと冷や冷やする。
希望の灯りという題名は、どうなんだろうか。ちょっと違うような気もする。
音響もいい。クラシックからブルースまで流れる。ラストは海でもないのに波の音が聞こえてくる。
ドイツはシリアやリビアからの多くの難民を引き受けてきた。ここ数年は移民や難民の受け入れに反対する声が多くなっている。反対の声の多くは旧東ドイツの労働者層だという。この映画に登場する層である。移民に職を奪われるという危機意識が背景にある。
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