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2019年6月21日 (金)

『バブル経済事件の深層』

  平成という時代を語るに、バブルとその崩壊は欠かせない。なぜ、崩壊し、日本の経済は長く沈んだのか。そして、多くの事件が明らかとなり、とりわけ金融界の奥底が露呈した。
 ひどい事件だったが、それも記憶は薄れていく。尾上縫、高橋治則、許永中、小谷光浩・・・。とんでもない人物だろうが、それをアシストした銀行、大蔵省や政治家がいた。
バブル経済事件の深層』(岩波新書)を読んでみた。バブル崩壊に絡む4つの事件(尾上縫事件、高橋治則・EIE事件、大和銀行NY支店事件、日債銀事件)を採り上げている。
 事件の記憶を呼び戻し、頭の中を整理するには適切な読み物だ。
 企業が直接資金調達をするようになり興銀や長銀は優良な借り手を失った。融資先は尾上などの個人や不動産業者に向かい、融資と回収で利ざやを稼ごうとした。相手先を育てる、それが経済発展に寄与するなどという視点をなくしていた。モラルの問題でもある。尾上事件は興銀が、EIEは長銀が片棒を担いだ。
 大和銀行ニューヨーク支店の問題はこれとは違う。簿外取引が発覚してもその発表を遅らせた銀行幹部、大蔵省のトップに視点をおいている。
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 細かなことは省いて事件発覚後に目を向けると、債務超過を隠し、その処理(たとえば公的資金の投入)は遅れた。責任問題を巡る裁判も長引いた。失われた10年とか20年はそこにひとつは起因する。
 減損会計が導入されたのは2006年である。公的資金(国民の税金)が投入され、内部統制の仕組みもできて金融機関は健全な方向にすすんだ。
 でも、不祥事は起きている。たとえばスルガ銀行事件。これは記憶に新しい。銀行の体質は変わっていないと言うことか。
 銀行をとりまく環境は厳しい。ゼロ金利が経営を圧迫する。黒田のヤロー! と心で叫んでいるだろうが、それでは事態は打開できない。コスト削減(店舗や人員削減)や新規事業を模索している。はたしてどうなるんだろうね。
 写真のもう一冊はこれからの銀行のありようを描いたもの。日本の投資信託の課題をするどく指摘している。
  まともな投信を選ぼうぜ!

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