日本民家園 養蚕信仰
民家園で養蚕信仰の展示会が開かれている。
民家園は主に江戸時代からある古民家を集めた川崎市の施設である。民家ではないが、養蚕信仰の祠である「蚕影山祠堂」も移設されている。このお堂は、江戸末期に岡上養蚕講中によって東光院境内(麻生区岡上)に創建されたものである。
岡上(川崎の飛び地)では昭和15年ぐらいまでどの農家でも養蚕が行われていた。戦時下の食料増産政策よって桑畑がつぶされ、稲や麦などの農地として転用されて養蚕は急速に衰退してしまった。生糸相場の暴落も要因のひとつである。
今回の展示に資料提供した岡上の人たち(かなりのお年寄り)とともに展示会を見にいった。梅雨の半ばということもあり入園客は少なかった。
カイコは弱い。わずかな温度変化でも死んでしまう。うまく育てれば繭となり、貴重な現金収入になる。カイコは大切に扱われ、養蚕がうまくいきますようにという祈りも浸透していたことが展示物(護符や掛軸など)からわかる。「おかいこさま」である。その象徴が蚕影山祠堂である。
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